ナトリウム排泄率 (FeNa) 計算ツール
FeNaを計算し、腎前性急性腎障害(AKI)と腎性AKI(急性尿細管壊死 - ATN)を鑑別します。腎臓内科およびICUでの必須ツール。
腎臓内科におけるFeNaの臨床的解釈
急性腎障害(AKI)は、集中治療において頻繁に遭遇する病態です。治療方針を決定するために病因を鑑別することが不可欠であり、ナトリウム排泄率 (FeNa) はそのための代表的な尿マーカーです。
FeNaの生理学的メカニズム
FeNaは、糸球体で濾過されたナトリウムが最終的に尿中に排泄される割合を測定します。
- 循環血漿量減少(腎前性AKI): 腎血流が低下すると、正常な尿細管はナトリウムと水を強力に再吸収し、体液量を回復しようとします。その結果、尿中ナトリウムは低下し、FeNaは 1% 未満となります。
- 尿細管障害(ATN): 虚血や毒性物質(造影剤、アミノグリコシドなど)により尿細管細胞が壊死すると、ナトリウムを再吸収する能力が失われ、FeNaは 2% 以上となります。
臨床上の注意点(利尿薬の影響)
FeNaの解釈において最も多い落とし穴は、ループ利尿薬(フロセミドなど)の使用です。
- 利尿薬はナトリウムの再吸収を強制的に阻害するため、腎前性AKIであってもFeNaが人為的に上昇(> 1% または 2%)し、ATNと誤診される可能性があります。
- 代替の指標: 利尿薬を使用している場合は、尿素排泄率 (FEUN) の使用が推奨されます。FEUNが 35% 未満であれば腎前性AKIを示唆します。
FeNaに基づくAKIの鑑別診断
| FeNa 値 (%) | 推定される病因 |
|---|---|
| < 1 % | 腎前性 AKI(脱水、心不全、血流低下) |
| 1 % - 2 % | グレーゾーン(判定不能または混合性) |
| > 2 % | 腎性 AKI(急性尿細管壊死) |
参考文献:
1. Espinel CH. The FENa test. Use in the differential diagnosis of acute renal failure. JAMA. 1976.
[JAMA Network]
2. Zarich S, Fang LS, Diamond JR. Fractional excretion of sodium in diagnosing causes of oliguria. Effect of age and renal disease. Arch Intern Med. 1985.
[JAMA Internal Med]
-
%
-
💡 科学的正確性を期しておりますが、臨床的または技術的な相違にお気づきの際は、 お知らせください。